タクさんの徘徊探知機
2007 / 01 / 31 ( Wed ) 07:18:21

先週まで、タクさんの徘徊について書きました。
2002年春(認知症発症9年、要介護4)はタクさんの徘徊が続きましたが、デイの回数を増やしたり(週4〜5日)、ショートを毎月定期的に利用(3泊4日)するようになって、人の目が届き徘徊は殆ど防ぐことが出来ました。

しかし、ケアマネさんが徘徊予防のために徘徊探知機のレンタルを勧めて下さって、一緒に市の高齢者総合相談室へ探知機の見本を見に行きました。
この頃には徘徊がなかったのであまり乗り気がしませんでしたが、徘徊防止策として料金も安いので利用を決めました。
父の場合、登録料が315円、月々の利用料がたったの126円でした。(所得によって、また市町村により機種や料金が異なる)
2002年11月のことで、この頃父の市でこれを利用していた人は他に二人しか居ませんでした。

徘徊探知機は「ネズミが猫の首に鈴をつける」のと同じで、父に持たせるのは至難の技でした。
父にはこの徘徊探知機が「何者であるか」理解出来ないので、どうやって常に持たせるか?
それが分かっているからレンタルするのは気乗りがしなかったのです。

別売の専用布ケースに入れて、デイに行く時父のズボンの尻ポケットに入れました。
「お守りを入れておくよ!入れたままにしておいてね」と言って入れると問題有りませんでした。

しかし、朝の忙しい時間なので、入れやすい尻ポケットのボタンがない方のポケットに入れたのが間違いの元でした。

デイの職員さんにも徘徊探知機を入れていることは当然伝えてありましたが、ある時父は突拍子もないことをしてしまいました。
デイで暇があったのでしょう。
徘徊探知機の布ケースをハサミで切り刻んでしまったのです。
探知機は無事でした。
職員さんは大謝り。

父もこの頃はハサミがまだ使えたんですね〜。
その時の父の心理はこんな感じだったのでしょう。

「ズボンのポケットに入っているこれ、何だろう??
袋が開かないな〜?変だな〜??おっ!ハサミがある!
丁度いいからハサミで切って取り出してみよう〜♪」

多分、父の場合、徘徊する時の気分も切り裂き事件と同じようなものだったかと思います。
以下、父の徘徊気分予想です。

「とにかく田舎へ行かなくちゃ!急がなきゃ!
えーと、どっちだったかな?確かあっちだ!
あれれ?なんか変だな?違うみたいだ。もう少し行ってみよう!
あれ??どこに行こうとしてたんだっけ?今、何してるんだっけ??
困ったな?何だか分からなくなっちゃった。
とりあえず、もう少し行ってみよう!何か分かるかもしれない」

徘徊探知機をレンタルしてからは、残念ながら?一度も徘徊は有りませんでした。
いえ、正確に言うとグループホームに入ってから有りましたが…。
切り裂き事件があっても、私はめげずに毎朝父の尻ポケットに探知機を入れてデイに送り出しました。


【徘徊探知機について】
父の市で扱っていた徘徊探知機はNTTドコモの機種で「P-doco mini」という掌サイズで27gという軽量型。
携帯電話と同じように充電式。
専用の布ケースが別料金で有り、このケースのファスナーは特殊で、専用の鍵がないと開けられない仕組み。
昨年(2006年)、新聞広告にギッズ携帯と共にこの機種が載っているのを見たので、今でも同じ物があるようです。
居場所を探す時はコールセンターに電話で依頼すると、すぐ電話で場所を知らせてくれて、居場所はかなり正確でした。
以前ネットに写真が載っていましたが、今は見つかりませんでした。
レンタルにあたって市と提携した事業者が間に入っていましたが、現在この会社では徘徊探知機事業を取り扱っていないようです。
今では携帯電話で同じ役割を果たすものがありますが、携帯電話より小さくて軽く、料金が安く済むことが特徴です。

参照↓↓
認知症中期のタクさん(本格的な徘徊)


今日の花262262
この頃、梅とよく似ている「木瓜(ボケ)」が咲いています。決して認知症の花なんかじゃありませんよ(笑) 梅に似ていますがバラ科のせいか、梅より木は小さくても華やかさがあります。梅より早く12月頃から咲いているのを見かけました。長期間楽しめる花ですね。


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認知症中期のタクさん(本格的な徘徊)
2007 / 01 / 22 ( Mon ) 01:53:21

先週書いていたタクさんの徘徊シリーズの続きです。
1度目の徘徊はデイサービス中に、2度目では見つかった時は夜でした。
そして3度目は、2度目から6日後の2002年3月22日(金)。
10日余りの間に3回も続きました。
陽気が良くなる春は徘徊の季節のようです。

今回の徘徊は「置手紙」があって本格的でした。
この日は父はデイがない日でした。
私が家の用を済ませて夕方4時半頃、父のマンションに行くと、テーブルの上のメモ用紙に父のたどたどしい文字で置手紙が…。

田舎へ長男(父と同居の私の弟)と一緒に約二日間行く」という内容でした。
家を出た時間が書いてありましたが、時刻は未来の時間になっていて間違っていました。
文章もちょっと変で、文字もかなり間違っていました。

ガ〜ン!!ショックでした。もっと早く来れば良かったと…。
でも、置手紙には感動してしまいました。
今でも記念に取ってあります。

父は常々田舎のことが気になっていました。
私が心配しなくても良いと言っていたのですが、自分で見に行かないと何かと心配だったのでしょう。
田舎には親戚は居ますが、かつて父が家族と住んでいた家はもうありません。
お墓参りのことや、父にとって何かと気になることがありました。

弟に連絡して、自転車で周辺を探し回りました。
家にはいつ父が帰ってきても良いように、鍵はかけずに探しに出ました。
近くの交番とデイにも知らせました。
交番は探してはくれません。連絡があったら対応する形でした。

探しているうちに雨が降り出しました。
こんな雨の中、父はどこでどうしているのか心配でたまりませんでした。
似ている後姿を見ると「父だ!!」と思ってしまいました。
結局暗くなっても見つかりませんでした。

弟が早めに帰ってきて自転車で探しましたが、やはり見つかりません。
一旦私は家に帰りました。
その後、夜7時過ぎ頃、警察から連絡が有りました。
父のマンションから徒歩の最短距離で30分位離れたマンションに保護されていました。

迎えに行くと、父は穏やかな表情でそのマンションの管理人の方とロビーのソファに座って話しをしていました。
私が「お迎えに来たよ!」と声をかけるとキョトンとした表情で「どうしたんだ??」と。

父がそのマンションに来た時の様子を管理人の方に伺いました。
その時の父は、私達が何を話しているのか分からない様子でボーッとしていました。

このマンションもオートロックだったのですが、誰かと一緒に中へ入ってしまったようです。
そして、各部屋のドアを叩いたり、ブザーを押して歩いたり…。
住民の方が訴えてきて、管理人の方が親切に対応して下さったようです。

父は名前は名乗ったそうですが、連絡先が分からない。
父は古い年賀状を持っていました。
その住所は父がマンションに越して来る前の住所で、自宅に連絡出来なかったので警察に連絡して下さったとのこと。
かなり長い時間、このマンションで保護され、楽しくおしゃべりしていたようでした。
何より、管理人の方がとても良い方だったので助かりました。

父の姿を見ると、靴ではなく、玄関にいつも置いているサンダル履き。
3月の夕方は寒いのに上着になるようなものは着ていませんでした。
ズボンの裾が土と草で汚れていて、草むらを掻き分け前進して行った力強さが想像されました。
古い年賀状は、父が引き出しの奥から引っ張り出して、いつもテーブルの上に置いて眺めていたものです。

マンションに入ったら、自分のマンションと勘違いして、ブザーを鳴らしたのかもしれません。
父にとって初めて来た場所でしたし、私も初めてでした。
幸い、父は雨には当たらなかったようでした。
元気に仲良くタクシーで一緒に家に戻りました。
帰宅後も、父は普段と変りなく元気でした。

父が不安な気持ちで歩き回っていたのか?
どんな気持ちで歩いていたのか??
結構離れているのにどんな道順で歩いたのか、全く分かりません。
周辺には大きな交差点や車がかなり通る危ない道もあります。
全く謎に包まれた行動でした。

これらの徘徊の対応策として…。
デイを増やし人の目がいつもあるようにして徘徊を防止すること。
デイでも徘徊してしまったことから、ケアマネさんの提案で介護保険の徘徊探知機のレンタル。
父には気の毒ですが、父が中から開けられない鍵を玄関に取り付けること。
などを行いました。

しかし、後にこの徘徊探知機で、考えられないハプニングが起きました。
幼い子供や認知症の人は、普通の感覚では考えられないことをするものです。
それはまた次回に…。
              

        タクさん自宅外階段03.05.03
       タクさんは笑顔で徘徊して行きました??
       今回の徘徊の1年後のタクさん。この頃は肉付き良かった頃です。

参照↓↓
認知症初期のタクさん その2(初めての迷子)
認知症中期のタクさん その8(鍵で閉じ込め作戦)


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認知症中期のタクさん(夜の徘徊)
2007 / 01 / 17 ( Wed ) 01:51:51

今日はタクさんの2度目の徘徊のことです。
こんな風に何回目と言える程度で、父の徘徊の数はあまり多くありませんでした。
なぜなら、徘徊防止のため、デイに行く回数をこの頃からどんどん増やしたからです。
私が一日中父を見守っている訳にもいかなかったからです。

2回目の徘徊は最初の徘徊から3日後の2002年3月16日(土)でした。
記録を取ってあったから書けるのです。
そうでないと5年近く前のことなど、「タクさん他認知症一族」の血を引く私には、いちいち覚えていられません(笑)

<注>タクさん他認知症一族
私の父タクさん、父の姉、父のすぐ下の弟(つまり私の叔父、伯母)は、皆認知症なのです。伯母はすでに亡くなりました。
私の母方の祖母も認知症でした。

この2回目の徘徊は、私が他県の親戚の結婚式に泊りがけで出かけている時に起きました。
出先で弟から連絡を受けて、何もしてあげられなくて心配でたまりませんでした。
徘徊の内容については父と同居の私の弟から聞いたことです。

私が泊まりがけで居ないので、弟が仕事から帰ってくるまでの間に父は出て行ってしまったのです。
土曜日なので引き止め役のマンションの管理人さんは居なかったのです。

弟の仕事がいつもより遅くなり、父に夜6時半過ぎに電話をしたところ出なくて、夜8時頃帰宅したら思った通り居なかったようでした。
細かいことは忘れましたが、父が歩いているのを車で通りかかった30代のご夫婦が、父を何度も見かけるので気になって声をかけてくれたようです。
夜だったし、このご夫婦のお陰で大事に至らずに済みました。

そのご夫婦が警察に連絡して下さって、父が名前を名乗ったのでしょう。
父が住んでいたマンションは、認知症になってから越してきたので父は住所を覚えていませんでした。
持ち物に住所や電話が分かる物を持っていたかどうか?それも定かではありません。

弟が迎えに行ったとき、父は呆然として、何が何だか分からなかったようです。
前日頃から足首のむくみがあって痛がっていました。
今回の徘徊の後、疲れて足が痛いと言ったそうです。
暗くなっても歩いていたので、不安もあったでしょう。
父がどのくらいの時間、どこをどう歩いていたのか結局分かりませんでした。
電話した時父が居なかった時間から考えても、少なくとも1時間半は徘徊していたはずです。

翌朝、37度程度の熱があったようでしたが、元気でいつもと変わらなかったようです。

そして、またまた父はその数日後、今度は目的のはっきりした?徘徊をしてしまいました。
それは次に書きます。 


参照↓↓
認知症初期のタクさん その2(初めての迷子)

認知症中期のタクさん その8(鍵で閉じ込め作戦)


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認知症中期のタクさん【徘徊】 TB:0 CM:5 admin page top↑
認知症中期のタクさん(初めての徘徊)
2007 / 01 / 16 ( Tue ) 01:05:26

父は認知症初期の頃、集合玄関のポストに新聞や郵便物を取りに行く習慣がありました。
その頃は間違えずにきちんと持って来られました。
そのうち、ポストから持ってきた郵便物を自宅で失くしてしまうことが続きました。
新聞や郵便は取りに行かなくても良いと父に言って、父もそれをしなくなっていました。
今思うと、父の仕事を奪ってしまい可哀想なことをしました。

父の徘徊は2002年に入ってから、徘徊しそうな行動から始まりました。
認知症になって9年経っていました。
父は一人では行かなくなった自宅マンションの集合玄関へ、一人で出て行くことが増えました。
集合玄関と父の自宅とは2階の同じフロアでした。

そのたびに集合玄関にいる管理人さんに声を掛けられ未遂に終わりました。
オートロックなので、鍵なしで出たら入れなくなる心配があります。
管理人さんに、父が出そうになったら止めるようにお願いしてありました。
通い介護の私が父の家に行く時間前に、そういった行動を取っていました。

父の記念すべき?最初の徘徊は、記録によると何と!デイサービス中でした。

2002年3月13日(水)のデイの終わり頃、外へいつのまにか出てしまい20分程居なくなったようです。
職員さんが手分けして探すとデイから100m程離れた歩道を歩いていたそうでした。
職員さんが何度か私の携帯に状況説明をして下さって、父は無事デイに戻り、何も覚えてなくて、元気で疲れてもいないとの報告を受けました。
いつもより30分遅れで車で送ってもらい帰宅しました。

父の通っていたデイは、後に父が入居する特養の1階フロアでした。
この建物の1階玄関は出入りがオートドアで自由でした。
父の特養施設は他の施設よりも自由に何でも出来ることが特徴で、それが裏目に出た形となりました。
オープンの事務室が玄関前にあって、事務職の目があるのですが、たまたまデイ終了時のドサクサで、父が出て行ったのが気付かれなかったのでしょう。

入るのは自由でも、出るのは自由に出られないシステムの施設が多いと思います。
義父イズさんが居た老健も自由に出られませんでした。

この日の私の記録によると、父は帰宅後もご機嫌で、デイは楽しかったと言っていました。
紙パンツも濡れていませんでした。

初めての徘徊は運が良いのか?悪いのか?デイサービス中でしたので、父の徘徊は大したことなく終わりました。
父にとっては物足りなかった?徘徊かもしれません。
というのは、その後、数日のうちにまたまた徘徊してしまったのです。
陽気も暖かくなった3月ですから、外出好きの父が行動的になるのも無理はなかったでしょう。

徘徊については、更に続きます。


参照↓↓
認知症初期のタクさん その2(初めての迷子)

認知症中期のタクさん その8(鍵で閉じ込め作戦)


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認知症中期のタクさん その8(鍵で閉じ込め作戦)
2006 / 09 / 18 ( Mon ) 01:52:28

「認知症中期のタクさん」シリーズの前回までで、先にデイやショートのことを書きましたが、まだ介護保険利用のきっかけを書いておりませんでした。
前後しますが今回はその利用のきっかけになった父の徘徊のことを書きます。

「タクさんの病歴と経過」(年表)を見ると分かりますが、1999年秋(認知症発症6年)に「初めての迷子」事件が起きた以外は1997年から2001年にかけて認知症の進行はゆっくりで、日々細々としたことはありましたが目立って大きな出来事もなく過ぎました。

父は勝手に外へ出ることもなく、日中の2時間位父の所へ通い家事をしたりして、夜間は同居の弟がいるので何とかなっていた日々でした。
そんな訳で、父のことを四六時中見ていなくても大丈夫だろうと思った私は家の事情もあって、日中の短時間にアルバイトを始めました。

ところが「認知症中期のタクさん その1(使い始めた紙オムツ)」に書いたような出来事が2001年秋(認知症発症8年、80歳)に急に勃発し、その後は急速に認知症に特徴的な「徘徊」も始まりました。
「徘徊」と言ってもまだ「徘徊しそうになった」未遂の出来事止まりでした。

私が居ない時、父が外に出ようとしたところを父のマンションの管理人さんが声を掛け、徘徊は未遂に終わったことが何度か。
管理人さん曰く、「どこへ行くの?と聞いても何だかどこへ行くのかよく分からない返事していたよ。お父さん、ボケてきたんじゃないかい?」と。

父がこのマンションに引越して来たときに、管理人さんに父はボケていると伝えてあったのに、それまでは父のボケ具合に管理人さんは気付かず、私が父のボケを伝えていたことは忘れていたようでした。
他人に対しては何も問題ないような態度を父は取っていたせいでしょう。

そのため弟と相談して玄関ドアに外からしか開けられない鍵を取り付け、可哀想ですが家の中の父には開けられないようにしました。
これは父に何かが起きても閉じ込め状態ですからどうしようもなく、本当に父には申し訳なく思いました。
しかし、この年から私はアルバイトを始めたばかりで続けたかったこともあり、私がいない時間は父に安全な家の中に居てもらうしかありませんでした。

玄関ドアの鍵付近に傷跡があって、ガチャガチャいじって何度も開けようと試みた父の様子が伺えました。
家の中は父が一人でも安全なように気を配りましたが、鍵で閉じ込めは何かと危険な状態でした。

失禁も始まり、このままでは限界だと思いました。
それまで殆ど介護の本などは読まずにいた私ですが、この頃から認知症介護の本などを買って読むようになりました。
父に対して本気で取り組む気持ちが芽生えてきました。

今日の花262262
そろそろお彼岸が近づきました。先日早々「彼岸花(曼珠沙華)」を見かけました。葉っぱが全く出ないうちに真っ赤な花だけがすくっと立ち上がった姿は妙な感じがします。白花はまた全然別の清楚な趣があります。

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